Columnコラム

2022.05.23

手のひらから世界のビジネス・オポチュニティをつなぐソリューション“WORKUS”が目指す「新しい働き方」とは

Interview
長谷川 文弥 氏
● 株式会社OfaaS CEOプロジェクト室

リモートワークが加速するなか、出社率低下に伴うオフィスの最適化や社員間コミュニケーション、新事業創出など課題は多い。こうした状況にオファーズは、一つの解を見いだした。それが、スマートフォンアプリ「WORKUS(ワーカス)」だ。2021年7月にリリースし、「新しい働き方」を提案する次世代のビジネスプラットフォームを目指してアップデートが続く。同サービスについて、「WORKUS」エヴァンジェリストの長谷川文弥さんに話を聞いた。

社員の出社状況をアプリでデータ化
オフィスの最適化を後押しする

朝、出社して席に着く。隣から聞こえてくるのは他愛のない会話と笑い声。ふと興味のある言葉が耳に飛び込んできて、雑談へ参加する――。
これは法人向けスマホアプリ「WORKUS(ワーカス)」が提供するバーチャルオフィスでの業務風景だ。
「『WORKUS』は、リアルとバーチャルの場をつなぐ、新しいビジネスプラットフォームです」
オファーズで「WORKUS」のエヴァンジェリストを務める長谷川さんは、解説する。同サービス開発の背景には、劇的に変化するIT環境があるそうだ。
「今、企業の多くが『2025年の崖』に直面しています。DXが進まなければ、既存システムの老朽化によって多大な経済損失が生じるという問題です。一方で2030年をメドとした6Gの実用化やAIの進化も視野に入れた経営戦略の転換を迫られています。こうした社会の変化に適応し、新しい働き方を提案したいという思いから、バーチャル空間を活用したサービス開発に至りました」
「WORKUS」には、大きく分けて4つの特徴があるという。
①「どこでも働ける環境をつくる」、②「コミュニケーションがとれる環境をつくる」、③「人を集める仕掛けをつくる」、④「ビジネスマッチングの場をつくる」。
これらの機能を1つずつ、見てみよう。
まず、1つ目の「どこでも働ける環境をつくる」。これは、WeWorkを含む全国200カ所のコワーキングスペースなどを「WORKUS」に登録することで、加入企業の社員はどこでも自由に、時間単位で場所を利用できるサービスだ。2021年7月に「WORKUS」をローンチした際、最初に実装したのがこの機能だという。
「コロナ禍でテレワークが急速に普及し、共有型オフィスのニーズは高まっています。ワークスペースの利用状況がデータ管理できるため、利用率の低い自社オフィスを縮小させる際の判断材料に使えるのです」(長谷川さん)

「雑談が生まれない」リモートの課題をバーチャルオフィスで解決する

一方で、社員がおのおの好きな場所で働くことで、社内コミュニケーションは低下するだろう。
そこで「WORKUS」では、シームレスに「コミュニケーションがとれる環境」を提供した。冒頭でも触れたバーチャルオフィスである。
「バーチャルオフィスは、他社サービスにもあります。そして、企業の導入も進んでいますが、なかなか定着していないのが現状です。理由は、社員間の『雑談』や『コミュニケーション』は、バーチャルオフィスにおいて、二の次になっているからだと思います。つまり、対面で自然発生的に起こるやりとりをバーチャル空間で仕掛けられていないため、企業にとっての課題が根本的には、解決できていないのです。
また、料金体系にも要因があります。『一つのIDで○○円』という価格設定をする企業が多く、割高に見えているのかもしれません。
個人でのやり取りもそうですが、バーチャルオフィスで会話するためにPCをわざわざ立ち上げる事も利用者が手間に感じている可能性があります。LINEやSNSは、思い立ったときにすぐコミュニケーションがとれる。今の時代は、スマホを中心にサービス設計をする必要があると我々は考えています」(長谷川さん)
こうした課題を踏まえ、「WORKUS』のバーチャルオフィスは、PCだけはなくスマホでも利用できる設計にしている。スマホでもコミュニケーションできる環境をつくるため、社内メッセンジャーや音声通話、「ボイスフロア』という機能を搭載した。
例えば、Aさんがボイスフロアへログインすると、Aさんの会話だけでなく、周囲の環境音も拾う。リモートワークでも雑談がしやすい仕掛けだ。
便利なのは、Aさんのアバターから離れていればその環境音は聞こえず、近づくほど音声が大きくなる。つまり、「ボイスフロア」を使うことで、リアルオフィスの環境をオンライン上に再現できる。
また、物理的な制限がないバーチャルオフィスだからこそ、社外の人たちとのコミュニケーションにも活用しやすいと長谷川さんは指摘する。
「最近、異業種交流等を目的に自社の一角にイノベーション拠点を設ける企業が増えています。ただリアルな施設は物理的に行くのが難しい場所もある。これがバーチャルオフィス内であれば気軽に訪れる空間をつくることができ、『人が集まる仕掛け』や『ビジネスマッチング』にもつながっていくのです」
「WORKUS」は、社内で完結せずに、社外や地域の人々とコミュニケーションを築く「場」となることを目指している。
「『WORKUS』が「場」となり、次のフィードやビジネスマッチングにつなげる仕掛けにしたいです」(長谷川さん)

リアルとバーチャル空間を巧みに組み合わせ、世界とつながる「WORKUS」の世界観

WEB会議やイベント参加など、スマホ一つで対応できるのが魅力。オンラインイベントは過去のものもアーカイブとして閲覧が可能

WORKUS導入企業間で社員交流を図る
ビジネスマッチングの情報提供も

もちろん、コミュニケーションの活性化は、リアルな場でも重要だ。3つ目の特徴である、企業の壁を越えて「人を集める仕掛けをつくる」について長谷川さんはこう語る。
「多くの企業でワークショップや講演会など、さまざまな社内イベントが開催されています。その中には、社外に向けて集客できそうな魅力的なイベントも多いのです。せっかくなら、利用企業間の交流を生む仕掛けができないかと考えたのです。
そこで、アプリのフィード上でイベントをシェアできるように開発を進めました。『WORKUS』は、企業単位で加入しますので、シェア機能で特定の業種・属性に絞ってイベント告知が可能になる。参加者にも主催企業にもメリットがある仕組みなのです」
なにより、スマホアプリである点も特徴だ。「3タップ以内に操作が終えられる」といった、スマホならではであるUXに対するこだわりも、オファーズならでは。同アプリの魅力の一つだろう。
総務省が2021年に発表した「通信利用動向調査」によると、インターネット利用機器の割合はスマホがPCを大きく上回っている。
「『WORKUS』では、イベント情報がフィードに掲載されるので目に留まりやすい。オンライン開催のイベントは、フィード上から簡単に参加できます。
また、タグづけにより、社外に公開したいイントラ内の情報も手軽にフィードへ連動できます。
もちろん、セキュリティ面の問題もクリアしています。社外秘情報と外部と共有できる空間をシステム上で分けられるからです」(長谷川さん)
今後は、「WORKUS」を仲介役に、複数企業のコラボイベントも演出していく予定だという。
最後に、4つ目の特徴は「ビジネスマッチングの場をつくる」。これは、具体的なビジネスモデルがある。株式会社エイチ・アイ・エスと業務提携をして加入企業と世界各国の企業をビジネスマッチングさせるのだ。
「エイチ・アイ・エスは、現在世界61カ国、約300拠点のネットワークを持っています。現地にいる社員が、その国やエリアに在籍する企業のニーズに合う技術や情報をヒアリングし、条件に合う加入企業に紹介してマッチングさせるサービスです。
アプリ上でのWEB商談のセッティングや通訳サポート、現地での商談アテンドにも対応します。知り合う機会の少ない海外の企業と日本企業がビジネスマッチングすることで、新事業の可能性を拡げてもらうことが狙いです」(長谷川さん)

3タップで完了するシンプルな操作性は、高度なIT技術と豊富な知見を持つソフトバンクグループの強み

アプリを導入する企業にマッチングする海外企業をサジェストする機能も
※開発中の画面のため今後変更になる可能性がございます

目指すは、「バーチャルシティ」
国内最大プラットフォーマーの強みを生かす

現在、「WORKUS」には大手企業を中心に多くの企業が加入している。利用料は企業規模の大小に関わらず、1社あたり月額9万8000円(税別)と試しやすい価格設定だ。長谷川さんは構想を語ってくれた。
「地方の自治体は、地場産業の活性化や若者の呼び込みといった課題を抱えています。今後、『WORKUS』への参加企業数と自治体が増えると、情報発信のプラットフォームとして利用していただけます。すでにいくつかの自治体が参加し、トライアル中です」
今後はWORKUSにより「オフィスや情報、アイデアを共有し、お互い成長するために助け合う」バーチャルと融合したリアルソーシャルを目指す。そして、いずれは海外にも展開するという。
これだけのシステムを実現することができたのは、日本を代表するプラットフォーマーであり、そのノウハウと優秀なエンジニアを有するソフトバンクグループのオファーズだからだ。長谷川さんは語る。
「手の中にあるスマホから、世界へと羽ばたいていけるようなプラットフォームにしていきたいですね」

※現在開発中のため、機能や画面、詳細は変更になる場合があります。
※モバイル版は順次サービス提供開始の予定です。
※記載内容は計画であり変更の可能性があります。詳細は弊社営業担当までお尋ねください。
※アプリを利用する従業員数に上限はありません(1法人当たり1契約が必要です)。
※記載されている会社名および製品・サービス名は、当社の登録商標または商標です。

Profile

長谷川文弥(はせがわふみや)

2014年ソフトバンク入社。法人ソリューション営業を経て、2018年より株式会社OfaaSへジョイン。
CEOプロジェクト室/「WORKUS」エヴァンジェリストを務め、WORKUS事業に関わる。2021年7月に「WORKUS」をリリース。


監修:株式会社東洋経済新報社 (https://corp.toyokeizai.net/who-we-are/outline/)

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